企業が積極的に成長するためには、設備投資が不可欠です。
特に製造業や建設業では最新の機械や工具などに積極的に
投資しないと他社との競争力で劣ってしまいます。
設備投資は、効果の反面、会社の資金には大きな負担です。
ただ、税金計算上では、購入金額がそのまま経費にならず、
経理上はいったん資産として記録されます。
そして毎期決算ごとに、価値が目減りしたであろう金額だけを経費にしていきます。
これを「減価償却」といいます。
この減価償却のせいで、設備投資しても購入当初は、その分の税金が安くなりません。
「えっ、実際に払って手許にお金がないのに?」
「設備投資と税金負担のダブルパンチなら設備投資なんてできない!」
こんな風に思われる経営者の方が多いと思います。
そこで、税制では、一定の要件を満たした設備投資については、
特別償却と特別税額控除という制度を設けています。
ここではこれらの制度についてご紹介していきます。
1.制度の概要
中小企業者等が特定の機械等を取得した場合には、「特別償却」か「特別税額控除」を受けることができます。
これは減価償却の特例なので、受けるためには対象となる資産などに複数の要件があります。
また、この2つの制度はいずれかの一方を選択で受けることができます。
⓵対象資産
対象となる資産は以下のものになります。
・1台160万円以上の機械、装置
・1台120万円以上の測定工具、検査工具
・貨物運送用車両(車両総重量が3.5t以上)
※その他、ソフトウェアや船舶なども含まれます。
②大事な要件を抜粋
・青色申告者であること
・取得した機械等が新品であること(中古の場合は適用不可)
※ 他にも資本金及び従業員数の基準要件があります。
2.特別償却を選択する場合
通常の減価償却に加え、取得金額の30%の減価償却を行うことができます。
通常の減価償却は、取得年については事業に使用した日から、決算までの期間分しか
償却はできません。
しかし、特別償却を使用した場合は、取得価額の30%が、月数按分なしに加算できます。
3.税額控除を選択する場合
取得金額の7%の税額控除を受けることができます。
※この税額控除前に計算された、法人税額の20%が上限になります。
上限を超えた分について、翌期に限って控除枠の繰越が可能です
4.特別償却と特別税額控除の違い
初めてこの話を聞かれてすぐに理解は難しいのではないでしょうか。
特別償却は、通常の減価償却の先取りです。
本来なら国の決めた耐用年数で、減価償却しないといけないのところを30%分を初年度に
早めてあげるという制度です。
早めた分、法人税が安くなりますので、接部投資の一部が減税を通じて
早く回収できるという制度です。
特別税額控除は、通常の減価償却はそのままに、
取得価額の7%分を算出された法人税から直接控除してあげる制度です。
こちらも減税を通じて、設備投資の一部が早く回収できます。
おすすめの選択は・・・。
取得した年度だけを考えれば、特別償却が税金の金額が下がります。
長期的に見れば、税額控除が有利になります。
特別償却が通常の償却を早めているだけです。
特別税額控除を選択すれば、通常の減価償却は早まらないですが、
別途、税額控除を受けられます。
減価償却は設備の取得資金を費用化していくため、特別償却も、特別税額控除も減価償却費の総量は変わりません。そのため通常の減価償却+税額控除ができる、特別税額控除の選択が+αの節税効果があることになります。
5.さいごに
特別償却も特別税額控除も、主な要件は資産の取得価額で、大きな設備投資をしたなと思えば、これらの規定の可能性を考えた方がいいでしょう。
また、選択方式なので、それぞれの制度の性質をしっかり理解して、選択された方がいいでしょう。
特に、特別税額控除については、減価償却+αの減税になりますので、
減価償却を急ぐ必要がなければ、税額控除を選択すべきでしょう。
やの会計事務所は、東大阪市に所在していることから、製造業のお客様も多く、
これらの適用を多く取り扱っております。
気になられる方は、お気軽にご相談ください。