お知らせ
年末調整
こんにちは、東大阪の税理士 やの会計事務所です。
今年も年末が近づき、年末調整業務に追われる時期になってきました。
年末調整を完了しますと、当社の顧問先の従業員様から、
「去年より返ってくるお金(還付額)が少ない」「なぜ、還付ではなく徴収されるの」
というご質問を受けます。
年末調整は「本年1年間の源泉徴収税額」と「年末に計算した年税額」を精算する手続きで、
両者に差額が発生した場合に還付または徴収で調整します。
これらに差額が発生するよくある事例についてご紹介します。
発生原因がわかれば、従業員様への説明しやすくなると思います。
①毎月の源泉徴収税額に誤りがあった
これは給与計算の際に、扶養人数の数の誤りがあったり、
単純に旧税率の源泉徴収税率表を使用していることで、
年間を通して徴収税額が少なかったケースです。
②年の中途で、昇給があった
年の中途で昇給があった場合などは、年初から昇給がある月までは
低い税率に基づく源泉所得税率表を使用していますので、
昇給し、年間を通じて収入が多くなった場合に、
昇給までの期間の源泉徴収税額に不足がある場合に徴収が発生します。
③年の中途で、扶養家族に異動があった
年初のタイミングでは扶養親族になると判断していても、
年末になると、その親族に収入があり扶養から外れるケースです。
年の中途に適正に異動を反映していても、異動するまでの期間が、
その扶養親族を含めた源泉帳所得税率になっているので、
年末に不足が発生します。
④年間給与のうち賞与にウェイトが偏っている
賞与は、毎月の給与の金額に応じて、税率がきまります。
そのため、毎月の給与額が低く、賞与でまとまった金額をとるような場合、
賞与の源泉所得税額は、年間の税額に対して低く徴収されることが想定されます。
その場合、年末調整で大きく精算することになります。
⑤ローン控除やその他各種控除の適用がなくなった。
ローン控除は一般的に居住年から10年経過すれば、その適用がなくなります。
その他にも、生命保険料控除や社会保険料控除など、前年適用があったものが
従業員様側の理由で負担がなくなった場合などで前年と比較し、年税額が増える場合があります。
⑥配偶者控除の不適用
配偶者控除は従業員様に扶養する配偶者がいる場合に、給与計算の際に扶養人数に含めて
源泉徴収税額を計算しますが、従業員様本人の年収が1220万円を超えればその適用はなくなります。
昇給や決算賞与等で当初想定年収を大きく超えてきた場合に配偶者控除を想定していた
源泉徴収税額との差額で不足が発生場合もあります。
いかがでしょうか。毎月の給与計算を正しくしていても、
徴収が発生したり前年の還付額より多くなることは結構あります。
従業員様から質問された場合には、上記の事例を参考にしてみてください。
やの会計事務所では、年末調整をスムーズに進められるように、
扶養控除等申告書などを改編し、1枚にまとめています。
従業員様や年末調整担当者の方に負担がなくなったと好評をいただいております。
ご興味がございましたら是非お問い合わせください。
無料サンプルをご提供させていただきます。
給与①
こんにちは、東大阪の税理士 やの会計事務所です。
今年も残り1ヶ月半となり、年末調整の時期になります。
今回と次回で、年末調整にも関係する給与について
その「範囲」と「支給額の計算方法」についてご紹介します。
今回はその「範囲」についてです。
「給与」とは、勤務先から受ける俸給、給料、賃金、歳費及びこれに類するものとされています。
従業員等が労務の対価として支給を受けるものが対象となり、
役職手当、家族手当、時間外手当、住宅手当などの名目で支給されているものも含まれます。
なお、ボーナス賞与でまとめて支給されるものについても給与に含まれますが、
退職金については、入社日以後の勤続期間に基づき支給額が算定され
給与とは性格が異なることから給与とは区別します。
また、給与については、金銭の支給に限らず、物(自社商品や高額な記念品等)で支給された場合や
経済的利益の享受についても、従業員の立場としてのものであれば給与に該当します。
経済的利益とは例えば社宅等に無償又は相場より低い家賃で入居できる場合など、
相場との差額が経済的利益として認識されます。
給与と一緒に支給を受けるものの中には、非課税になるものがあります。
通勤手当や転勤・出張の旅費などの実費弁済の性格を有するものや、
見舞金、祝い金などの社会通念上相当なものは非課税とされます。
いかがでしょうか。今回は給与の「範囲」についてお話しました。
法人側で「給与」として支給し経費計上したものは、
支給を受けた個人側では「給与所得」として課税されることになります。
そのため、両者の認識が一致していないと、いずれかで課税上の問題が生じます。
そのため、給与の「範囲」については非常に大事なお話になります。
そのほか、課税される経済的利益や、通勤手当等の非課税については、
細かな運用がありますので、是非税理士に相談をしてみてください。
広告宣伝費
こんにちは、東大阪の税理士 やの会計事務所です。
今回は広告宣伝費の範囲とその処理方法についてお話しいたします。
広告宣伝費は前回にご説明した交際費と「自社又は自社製品の宣伝、販売促進」という面で、
性格の類似する部分がありますが、
交際費は、「得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などの
行為のために支出する費用」であり、
広告宣伝費は、「不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用」とされており、
明確に区別されております。
具体的には、取引先の役員を観劇に招待した場合は交際費となります、
一方、一般消費者を対象に抽選等で観劇に招待する費用は広告宣伝費となりますが、
広告宣伝費に該当するものについては以下の通りです。
・コマーシャル費用:電波媒体料(テレビ、ラジオ、インターネット)、新聞、雑誌
Googleなどの検索エンジンのPPCやSNSなどの広告料
ネット販売におけるモール内の広告料
・印刷物の作成費用:カタログ、パンフレット
・展示会やイベントにかかる費用:展示品制作費、展示場賃料、イベント企画料
・屋外広告の制作費用:看板やポスター、ダイレクトメール代、チラシ
・景品や試供品にかかる費用:キャンペーン景品、サンプル品、モニター品
これらは、広告先のターゲットをある程度選定できるものの、
不特定多数の者に向けて宣伝するものになります。
そのため広告宣伝費は全額損金として計上することが認められています。
ただ金額が10万円以上で、かつ、耐久年数1年以上のもの(看板や広告塔等)については、
一旦固定資産として計上し、減価償却費を通じて費用化されます。
いかがでしょうか。
広告宣伝費は最近ネット広告等が主流になり、その支払先が外国法人など、
その取扱いが複雑化してきております。
また、先行投資として、その効果が及ぶ期間が不明確で高額になりやすいものです。
広告宣伝費の支出を検討される際は是非、信頼できる税理士にご相談ください。
交際費②
こんにちは、東大阪の税理士 やの会計事務所です。
前回は交際費の範囲について、その定義や具体例についてお伝えしました。
今回は交際費の税制上の取扱いについてお話しいたします。
交際費は、会社にとって取引等を円滑に進める為の費用であることから、
会計上では全額費用とします。
しかし、税制上は無制限に損金計上を認めると、税負担の軽減を目的とした過度な接待等につながるため、
法人税の計算上の損金計上には一定の限度額が設けられています。
損金として認められる交際費の限度額は、会社の規模によって決まっており以下の通りです。
(1)資本金1億円以下の会社
支出額800万円もしくは、交際費等の額のうち接待飲食費の50%に相当する金額まで損金計上することができます。
(2)資本金1億円超の会社
交際費等の額のうち接待飲食費の50%に相当する金額まで損金計上することができます。
また、「1人当たり5,000円以下の飲食費」については、
常識的な範囲として交際費から除外して全額損金に計上が認められております。
通常「会議費」等の科目で処理し上記の限度額を考慮しなくてもよくなります。
この「1人あたりの5,000円以下」に該当するかどうかは、
飲食店が発行する領収証等には明記されていないため、
自身で参加者の氏名及び人数をその領収証に記録して保存しておきます。
参加人数が多い場合には、記録が面倒になりますので、
「取引先名、自社の参加者と相手参加者他〇名」程度の記載でいいでしょう。
また、この「5,000円基準の判定」の取扱いについては「飲食費」に限られているため、
他のゴルフプレー代や手土産等では適用されないので注意しましょう。
いかがでしょうか。交際費については会社運営上必ず発生する経費です。
取引を円滑に進めたり、取引先から贔屓してもらうためにその効果は絶大なものになります。
その反面、過度の交際費は税負担も考慮に入れると逆効果になることも考えられます。
税務調査でも最も指摘の多い項目になります。
そのため日々の記録等は詳細にされることをお勧めします。
交際費の取扱いについて不明点等がございましたら是非、税理士にご相談ください。
交際費①
こんにちは、東大阪の税理士 やの会計事務所です。
9月に入り、残暑も少し和らぎましたね。いかがお過ごしでしょうか。
今回は、交際費についてお話しいたします。
経費の中でも、その取扱いに注意が必要とされており、
皆様も具体的に何が交際費に該当するのか疑問に思われたことは多いのではないでしょうか。
国税庁のHPによると、
「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、
法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する
接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」
と定義されています。
具体的には、以下のものが該当します。
取引先との会食やゴルフプレー代
取引先訪問への手土産、中元、歳暮
取引先関係者の慶弔や見舞金
宣伝目的の特定取引先への多額な景品
取引先への受注への謝礼等
ポイントは「取引先に対しての」という点になります。
交際費は遊興費としての性格も含まれることから、それが私的かどうかの判断には、
取引先の接待が主な目的であったかどうかがポイントになります。
そのため、領収証等には必ず接待相手の名称(飲食の場合には参加人数まで)を記録するようにしておきましょう。
また、同じ支払内容であっても、社内従業員に対して支払った費用は「福利厚生費」、
不特定多数の者への景品等の供与については「広告宣伝費」になることもあります。
このように、同じ費用の支出であっても、交際費かそれ以外の科目かどうか区別する必要があるので、
会計処理の際は上記の点をしっかり注意しましょう。
取り扱いに悩まれた場合は税理士にご相談ください。
なお、国税庁のHPには交際費等の範囲について詳細に記載されていますので、
気になる方は是非そちらも参考にしてみてください。
車購入で節税できるか?
今日は一日、灼熱で真夏日でした。
熱中症には十分に気をつけてください。
さて、今回は当社の顧問先様からも
質問がとても多い事項です。
決算が近づいてくると、利益が多額に出ていれば、
どうにかして利益を圧縮して節税を考えられます。
その際に、よく聞かれるのは車購入で節税を考えたいというお話です。
車購入は節税になるのか?
事業に必要な車両を購入されると、その購入価額自体は、
減価償却という処理を行い経費に計上できます。
減価償却とは、購入した価額を、購入時に経費に全額計上せずに、
法定耐用年数という、その資産の耐用に応じた年数に
按分して経費に計上する方法です。
減価償却の計算算式は以下の通りです。
【取得価額×法定耐用年数に応じた償却率×決算までの事業供用月数/12月】
車両であれば、営業車の場合、
法定耐用年数が6年と定められています。
そのため、完全に経費になるのに、
6年の時間を要することになります。
また、算式の最後に、購入後、決算までに事業に供用した
月数により按分しております。
たとえば、車両購入を決算月に購入すれば、年間の減価償却額×1月/12月
になり、ほとんど経費にならないこととなります。
結論として、会社に余裕があれば、車両を購入いただければ
経費になり利益の圧縮(節税)につながるのですが、
決算間際に駆け込みで購入しても、その効果はほとんどありません。
いかがでしょうか?
節税対策には、決算間際に有効なものと、車両のように、
節税としては有効でも、決算間際では、あまり効果がないものがあります。
その他にも、中古の車両を買えば、節税できるお話も
よく質問されます。そちらもまたの機会にご説明します。