2013年10月
会社設立における決定事項について(「事業目的」篇)
こんにちは、中小企業の街、東大阪から
元気をお届けする、税理士の矢野です。
前回の続きで、会社設立にあたっての決定事項
本日は、「事業目的」についてです。
事業目的は、謄本に設立された新しい会社が、
どの様な事業を行うのかを記載されることになります。
事業目的は、謄本にいくつでも記載することができます。
そのため将来を見込んで、たくさんの事業目的の記載がされている、
謄本をよく見かけます。
ただ、可能性の少ない目的まで、記載することはお奨めしません。
理由は、関係先に見られた際に、会社の事業(方向性)が定まっていない印象を与えるからです。
中心的な事業と、それに付随する事業を2、3記載すれば充分かと思います。
また、現在では「その他、商業全般」と最後に記載することが認められていますので、
これを入れておけば、記載がないから、その事業が出来ないなんて事はありません。
事業目的を決める際に、必ず検討しなければならないのは、
設立後の許認可の申請についてです。
飲食、人材派遣、介護、古物、建設業等は行政からの許可がないと
行うことが出来ません。許可申請の際には、謄本にその事業目的が
記載されているかは、必ず確認されますので、漏れなく記載するようにしましょう。
記載漏れがあった場合、改めて事業目的変更登記を行うこともできますが、
登録免許税がかかるのと、創業の大事な時期に時間の浪費につながります。
事業目的の文言についてですが、どのように表現するかは、
「事業目的の適格性」の観点から決められることになります。
これについては法務局の登記官の判断になりますので、
無難なのは、過去に認められたものを使うことです。
出来れば、事業概要を専門家等に説明し表現は委ねて頂いた方がいいでしょう。
ただし、専門家等から提案された文言は鵜呑みせず、
必ず、ご自身で、文言と事業内容の照らし合わせを行ってください。
過去に少し困った事例が、設立後、融資を申込む際に、
融資面談で社長の事業説明が、謄本の文言からはイメージできないとのことで
事業目的の修正が、融資決定の条件として、金融機関から要望がありました。
相当珍しいケースですが、事業目的が会社の信用に関わる良い例だと思います。
事業目的は、創業期、事業に影響する事が多々ありますので、
必ず専門家にご相談することをお奨めします。